JAL/ANA自社養成パイロット試験 2019

2019年夏、今年もまたJAL/ANA自社養成パイロットインターンシップが始まり、来年3月からの自社養成パイロット本選へとつながって行きます。エアラインパイロットを目指す新卒大学院卒の方には最大の登竜門です。各社の採用情報に注意してエントリーを忘れないようにしてください。

※ 特にこの種のエントリーは募集期間が短いことが多いので細心の注意を払ってください。

エントリーから最終合格までの合格率が1%未満という長く厳しい選考ですが、大きな夢に向かって最大の準備と努力をしましょう。

プライバシーの観点から詳細は控えますが、今年も1%未満を思えば多くの合格者を目の当たりにして、失礼ながら ” 挑戦はしてみるものだ!成せば成るんだ!” と不思議な感動を覚えました。

もちろん!全て皆さんが実力で成し遂げたことなのですが、その過程で私が感じたこと、学んだことを幾つかお伝えしたいと思います。

① エントリーシートは顔が見えない面接ですから、添付写真はもちろん笑顔とハートが想像できる内容で、選考をして頂く方にハッキリとした自分の輪郭を届けるものにしてください。

@ 社会経験をお持ちの方は得意なのですが、新卒の方は注意して頑張ってください。

② 必ず求められるSPI3やGABと言ったセンター試験と英語能力試験はとにかく必死で高成績を目指してください。理由はどの自社養成試験(航大も含め)もそうなのですが、常に1次2次3次4次とそのフェーズまでの総合成績で通過/非通過が決まりますので一つも気を抜くことはできません。

英語が上手いとか適性試験の結果が良いとかで通る試験ではありません。

またその逆に前のフェーズの頑張りが思わぬ底上げになって次に進めることがよくあります。企業としてはパイロット以前に社員採試験ですからそれが当然であり最もフェアな形とも言えます。

グループワークやグループ面接/個人面接といった人物評価は年々重視されて来ており、その評価価値は適性試験を超えているとも言われています。

一社員としての資質 + 将来エアラインクルーとして求められる資質ですが、特にエアラインクルーに必要な資質(人格)については何らかの努力をされることをお勧めします。

注) クルーとしての資質とは、個々の個性や人格を否定するものではなく、クルーとして訓練を受けたり乗務をするにあたり必要な在り様(考え方/姿勢)であるOn Duty Attitude のことです。

④ 適性試験は会社により適性試験(マルチタスク)のみの場合と適性試験(マルチタスク)+操縦適性試験がありますが、最近の適性試験(マルチタスク)は基本的に心理適性、基礎学力適性、マルチタスク適性の3要素から構成されており、最近行われたPeach/ANA WingsのFCATもそのようなものであったのではないでしょうか?

心理適性はクレペリン/ロールシャッハ/MMPIといった古典的なものが主流ですが、今後はそれらの要素をPC試験用にプログラム化したものに変わって行くかも知れません。

基礎学力適性は基礎 “脳”力試験とも言えるもので、試験の初期段階で行われるSPI3やGABなどにある難解な問題ではなく簡単な問題を高速に処理する ”脳の基礎力” を測る形が主流のようです。

マルチタスク適性もここ数年流行のPC試験の特性を活かして多様化しており、視野分散、思考分散、行動分散、聴力も含む注意力分散、簡易スティックを用いたコントロールセンスと言ったいかにもパイロット適性試験らしき?ものになっているようです。

昔のように飛行訓練装置を使った操縦型の試験は少なくなり、飛行機好きにはちょっと寂しい時代ですが、企業側からすれば沢山の応募者からより良い人材を客観的かつ効率的に早く選ぶ方法として優れているということでしょう。

しかしその一方で、グループワークやグループ面接/個人面接といった人物評価は年々重視されて来ており、その評価価値は適性試験を超えるとも言われています。

普通の方であれば心理適性と基礎学力はまず(ありのままで?)問題ないとして、マルチタスク能力の向上とエアラインクルーに必要な資質(人格)については何らかの努力をされることをお勧めします。

注) クルーとしての資質とは、個々の個性や人格を否定するものではなく、クルーとして訓練を受けたり乗務をするにあたり必要な在り様(考え方/姿勢)であるOn Duty Attitude のことです。

⑤ 操縦適性試験は実用機である737型などのフルフライトシミュレーターによる操縦適性試験が普通のようですが、操縦経験の無い方(それが普通です)には大変難しく基本的には無理な内容と言えます。ただし、試験官パイロットは十分なパイロット育成経験の目で見ていますのでその一瞬の上手下手ではなく全体の操縦素養と先ほどのOn Duty Attitudeを見ています。 

安心して思い切り頑張ってください。

注) よく耳にするお話しですが、2日間のプログレスを気にし過ぎて初日低迷し2日目にグッと伸びる方が良いなどというつまらないテクニックはやめましょう。プロの目から見れば、かえってOn Duty Attitudeの一つである一生懸命頑張る姿勢に反する行為です。

On Duty Attitudeを忘れないでください!

初めてでは頑張っても上手くできないので、1日目で足切りされてしまうことがあります。 

とにく全力で当たり、60点→80点=140点 より 80点→90点=170点を目指しましょう。

なるべく訓練に苦労しない=訓練費用が掛からない人材の方が良いに決まっているのですから。

それより大切なことは同じフェーズで行われる個人面接です。むしろ操縦の実技適性よりOn Duty Attitudeと個人面接の方が重要と言われています。

 

フライトアミューズでは独自のPCプログラムによるマルチタスク実技練習と操縦試験に対応した訓練装置による操縦練習を提供しています。

また元エアラインクルーの経験に基づくOn Duty Attitudeなどのアドバイスを行っています。

適性試験(マルチタスク)、操縦適性試験についてはそれぞれ航空適性コースで、エントリーや面接等のアドバイスは基本コースで承っております。

 

 詳しくはフライトアミューズ ホームページをご覧ください。